【メタ解析】PAD(ASO)の治療後はDAPTが良いですか?
【背景】
PADに対して下肢にstentを置いたりして治療した際、DAPTがよいのかSAPTでよいのか。
DAPTの場合はどれくらいの期間行えばよいのか現状明確な決まりはないと記憶しているが、何か最近の論文がないか探してみた。
ちなみに当院ではstent留置後は1か月DAPTをしている。
参考文献:A systematic review of the efficacy of aspirin monotherapy versus other antiplatelet therapy regimens in peripheral arterial disease
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=29801560
- PMID:29801560
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研究デザイン:メタ解析
論文の内容
P:PADで跛行症状がある患者、過去に末梢血管の血行再建をした患者
I:DAPT(ASA+チエノピリジン系薬剤)※
C:SAPT
O:心臓および脳血管イベント、有害な四肢イベント、死亡率、生存率
および安全性(出血)
※クロピドグレル、プラスグレル、チクロピジン、チカグレロル
・Primary Outcomeは明確になっているか → 明確である
・真のアウトカムかどうか → 真のアウトカムといえる
【メタ解析における4つのバイアス】
1、評価者バイアス
・The PubMed/MEDLINE and Cochrane databases were
searched by two investigators (A.J., A.C.B.)
→2名の評価者がデータ抽出しており、評価者バイアスは大きな問題なさそう
2、出版バイアス
・The PubMed/MEDLINE and Cochrane databases were searched
・Only English-language reports and peer-reviewed literature were included
→MEDLINE Cochraneデータベースから英語のみ抽出。Funnelplotなどは見つけられなかった。
3、元論文バイアス
・We included 14 studies, 10 of which were randomized controlled trials (RCTs).
→10のRCTと4つの観察研究 Supplementary Table2をみると全体的にbiasリスクはそれほど高くなさそう。
4、異質性バイアス(I2)
→結果を参照
【結果】
Fig2:MACE Fig3:四肢の重大イベント Fig4:死亡率 Fig5:大出血
(本文より引用)J Vasc Surg. 2018 Jun;67(6):1922-1932.e6. doi: 10.1016/j.jvs.2018.02.047
【まとめ・感想】
おおむね下肢の虚血に対しDAPTがよさそうな結果が示されているが、期間については特に示されていない。
冠動脈リスクなども合わせて考えていく必要があると思われる。
今後も最新の報告を待ちたい。
下の図は論文中に示されていた海外の学会からでているガイドラインをまとめたものだがPADに関してはあまりまとまった意見とはなっておらずGradeも2、2C程度である。
(本文より引用)J Vasc Surg. 2018 Jun;67(6):1922-1932.e6. doi: 10.1016/j.jvs.2018.02.047
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