【RCT】クレメジンは腎機能維持に効果がありますか?【EPPIC trial】
【背景】
たまたまクレメジンをどのように飲むのがよいか。と少し調剤室で話題になったので飲み方は置いといて有効性についての論文を読んでみる。
参考文献:Randomized Placebo-Controlled EPPIC Trials of AST-120 in CKD.
PMID:22288014
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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験)
論文の内容
P:SCr 男性:2.0~5.0mg/dl 女性:1.5~5.0mg/dlの中等度~重度の成人CKD患者2035人
E:標準治療+吸着炭(AST120)9g/日
C:標準治療+プラセボ
O:透析開始、腎移植、SCr倍増の複合
※除外基準:免疫抑制、腎移植、吸収不良、高血圧、閉塞性または可逆性腎障害、ネフローゼ、ADPKD、不整脈、重篤な心血管疾患(NYHAⅢ、Ⅳ度)、炎症性大腸炎、裂肛ヘルニアの既往、活動性消化性潰瘍、重度の消化管運動障害
【確認ポイント】
・Primary Outcomeは明確か →明確である
・真のアウトカムかどうか →真のアウトカムといえる(SCrは代用)
・適切なランダム化がされているか →されている
・盲検化されているか →二重盲検されている
・解析方法は →ITT解析されている
・追跡期間 →約90週前後
・脱落率 →AST120群で69+43例が中止
→プラセボ群で52+61例が中止とある
・患者背景 →下記図を参照
【患者背景】
より引用
より引用
【結果】
より引用
より引用
【まとめ・感想】
クレメジン内服は透析導入や腎移植、Scrの倍増を減らすことが出来ないという結果。
クレメジンに関してはかなり飲みにくかったり、服用時間を他の薬とずらす必要があったりと内服にかなり負担がある薬剤だと思うので、この論文を読んだ限りではかなり微妙な薬である印象。
もし透析導入を遅らせるような効果があったとしても、大幅な期間の遅延は期待できなさそう。
本人が内服に負担を感じていたり、予想される余命期間によっては中止を検討してもよい薬剤かと思った。
CAP-KD試験やPMID16564934、PMID17179734などを総合的に考えても、あまり大きな効果は期待できないように思うが、倦怠感などを改善することはできるかもしれない。
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