病院薬剤師pharma.ponの備忘録

とある総合病院で働く薬剤師が備忘録としていろんなことを記録していきます。

【RCT】SGLT2阻害薬に腎保護作用はありますか?【CREDENCE】

SGLT2阻害薬の腎保護効果を検証したCREDENCE試験の結果が出たので読んでみる。

 

参考文献

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1811744?query=featured_home

 

プロトコール

https://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMoa1811744/suppl_file/nejmoa1811744_protocol.pdf

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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験) 

論文の内容

P:30歳以上、eGFR30-90ml/min/1.73m2でRAS阻害剤を服用中のT2DM(HbA1c6.5-12.0%)かつ顕性蛋白尿(尿中アルブミン/クレアチニン比300~5000 mg/gCr)の患者

I:カナグリフロジン100㎎

C:プラセボ

O: 透析・腎移植・eGFR15ml/min/1.73m2以下への移行、SCrの倍増、腎もしくは心血管イベントによる死亡の複合

 

除外基準:非糖尿病性腎疾患、T1DMが疑われる患者、腎疾患に対する免疫抑制療法を受けた患者、透析歴または腎移植歴のある患者

 

副次的評価項目: 心血管死・心不全脳卒中心筋梗塞・末期腎不全・SCrの倍増・腎臓死などなど

 

【確認ポイント】 

・Primary Outcomeは明確か      →明確である

・真のアウトカムかどうか      →真のアウトカム

・適切なランダム化がされているか   →されている

・盲検化されているか         →されている   

・解析方法は              →ITT

・追跡率               →約99%?

・追跡期間                →2.62年(中央値)

・サンプルサイズ          →約4200人

・スポンサー                →ヤンセン

 

【患者背景】 Table1・TableS1・S2を参照 両群間に差はなさそう

年齢:63歳くらい

男性:65%程度

白人:65%程度

喫煙者:14%程度

高血圧:97%程度

心不全:15%程度

DM期間:16年程度

心血管疾患:50%程度

HbA1c:8.3%程度

eGFR(ml/min/1.73m2):56程度

尿中アルブミン/クレアチニン比:930mg/gCr程度

 

【結果】

●Primary endpoint  Figure1-3 Table2 FigureS3を参照

 

canagliflozin

placebo

HR(95% CI)

P-value

Primary composite outcome

245/2202

340/2199

0.70(0.59-0.82)

0.00001

doubling of serum creatinine level

118/2202

188/2199

0.60(0.48-0.76)

<0.001

End-stage kidney disease

116/2202

165/2199

0.68(0.54-0.86)

0.002

Cardiovascular death

110/2202

140/2199

0.78(0.61-1.00)

0.05

 

●サブ解析 Figure1-3 FigureS3を参照

Primary composite outcome

canagliflozin

placebo

HR(95% CI)

eGFR30-45ml/min/1.73m2

119/657

153/656

0.75(0.59-0.95)

eGFR45-60ml/min/1.73m2

56/640

102/639

0.52(0.38-0.72)

eGFR60-90ml/min/1.73m2

70/905

85/904

0.82(0.6-1.12)

baseline UACR

     

≦1000

69/1185

88/1163

0.76(0.55-1.04)

>1000

176/1017

252/1036

0.67(0.55-0.81)

 

●副作用 TableS4を参照

  

【まとめ・感想】

SGLT2阻害薬で腎イベントは減少するという結果。

Figure3からは開始初期にeGFRは低下するが継続により腎保護的に働くことが見える。

透析移行や腎関連死も減らしておりNNTも25-45程度と結構いい結果に個人的には見えたのだがどうだろう。

ただ、メリットは1年以上内服継続してからやっと少しずつ出てくる印象。

RAS阻害薬を服用していない患者ではどうなのか。アルブミン尿がない患者ではどうなのかなども気になるところ。

もう少し長くフォローするとまた結果も変わってくるのか?

CKDstage3aあたりが一番効果を得られるのだろうか?

副作用は明らかにSGLT2でケトアシドーシスと尿路感染は増えていそうだがその他の項目はあまり変わらないように見える。ただアンプタは有意差ないものの増える傾向でやはり注意しておいたほうがよいのかもしれない。

腎専門の先生の解釈をうかがってみたいところ。

 

CANVASでは6年ほど追跡、CREDENCEでは2.6年。この差が有害事象などの差に繋がっているか?