病院薬剤師pharma.ponの備忘録

とある総合病院で働く薬剤師が備忘録としていろんなことを記録していきます。

【保存版?】業務で役に立つホームページ

個人的に業務によく使用するHPを紹介します。

皆さんの役に立つかどうかは・・・微妙ですね・・ 

もし「ここのサイトがオススメだよ!」とかあれば教えてください!!

個人のブログは紹介されたくない先生もいると思うのでやめておきます。

 

 【相互作用・薬物動態関連】

●Liverpool大学の相互作用検索   Cancer Drug Interactions

→英語でなかなか理解しづらいが抗癌剤、肝炎治療薬、HIV治療薬で特に役立つ

 肝炎だと日本語版あり  調べる - NCGM薬物相互作用検索(肝炎治療薬) 

●Drugs.comの相互作用確認ページ   Drug Interactions - Drugs.com

→英語だが薬品名を入力するだけなので使いやすい 

●SuperCYP  SuperCYP

→各薬剤がどのCYPの基質となるか、阻害薬となるかが一覧になってる。

 根拠となる文献へのリンク(Pubmed)もあって使いやすい。

 ただ、本当?と思う情報もあるのでしっかり吟味すること。

 

●Oncology pro       Drug-Drug Interactions with Kinase Inhibitors | OncologyPRO

抗癌剤の相互作用

●臨床薬物動態情報局   臨床薬物動態情報局

→数は多くないが薬剤の薬物動態パラメータがまとめてある

●臨床薬物動態学    臨床薬物動態学・付表

→数は多くないが薬剤の薬物動態パラメータがまとめてある

 

EBM関連】

BMJ      The BMJ

●JAMA      https://jamanetwork.com/journals/jama

●Lancet     https://www.thelancet.com/

●NEJM     https://www.nejm.org/

●NEJM日本語版 木曜日更新 The New England Journal of Medicine(日本国内版)

●EHJ      European Heart Journal | Oxford Academic

●JACC     JACC: Journal of the American College of Cardiology

●Circulation   https://www.ahajournals.org/journal/circ

●Uptodate    UpToDate

●北海道家庭医療学センター  北海道家庭医療学センター

●TheNNT    Homepage – TheNNTTheNNT

→様々な治療のNNTを載せているページ

EBM Library   EBM LIBRARY TOP

→循環器・糖尿病・抗血栓療法のトライアルデータベース

臨床試験情報  一般財団法人日本医薬情報センター 臨床試験情報

臨床試験情報が見れる

●がん対策図鑑  日本がん対策図鑑

→いろんなレジメンの結果とかが見れる

●Cochrane コクラン エビデンス | Cochrane

●Cochrane サマリー  コクラン・レビュー・サマリー 

●ケアネット      ジャーナル四天王

→4大ジャーナルの結果が見れる

●The SPELL     EBM[The SPELL

→各疾患の治療についての評価、文献評価

東邦大学ガイドラインデータベース   診療ガイドライン情報データベース

●Mindsガイドラインデータベース    https://minds.jcqhc.or.jp/

●緩和ガイドライン     https://www.jspm.ne.jp/guidelines/

オピオイドの一覧表、切替表を個人的に作ったのでもしよければ使ってください。

https://drive.google.com/file/d/1X2326T-JtbJxGxJYVHHFl8Lii8N07-7Q/view?usp=sharing

 

感染症・抗菌薬・腎機能関連】

●PfizerPRO   PfizerPRO | 医療関係者のための情報サイト 

→サンフォードのインターネット版を愛用中。週一更新で常に最新

●J-SIPHE      J-SIPHE 感染対策連携共通プラットフォーム 

感染症疫学センター   感染症疫学センター

→各感染症情報や予防接種についての情報が便利

●消毒薬テキスト    消毒薬テキスト(Y’s Text)

→各消毒薬のスペクトルや選択方法などについてまとめてある

●抗菌薬インターネットブック    抗菌薬インターネットブック

→各抗菌薬の臓器移行性などがまとめてある。Excelにまとめたのでよければどうぞ

https://drive.google.com/file/d/1n8ZTe5sPjWHgD4hrOKFOcz8ZvoUskUrD/view?usp=sharing

●ワクチン産業協会    一般社団法人日本ワクチン産業協会

→ワクチン、予防接種についての疑問があったらとりあえずここ。

●白鷺病院ガイドライン   析患者に対する投薬ガイドライン 

→腎機能低下時の薬剤投与量に困ったらここ。

 薬物動態パラメータについても記載があるのがかなり有用

●腎臓ネット    腎臓ネット|Kidney information network

CKDやADPKDについての情報がまとまってる 

 

 

 【情報収集関連】

●国立医薬品食品衛生研究所    NIHS 医薬品安全性情報(海外規制機関)

→海外の医薬品情報などを2週間に1回まとめて発信してくれる

●医薬情報センターJAPIC     一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)

国内、海外の医薬品情報や海外の添付文書を見るのによく使ってる 

●アンチドーピングガイドブック 『アンチ・ドーピングガイドブック 2019年版』

●日本中毒センター   医療従事者の皆さま | 公益財団法人 日本中毒情報センター

→中毒のことならとりあえずここを見てる

●英国MHRA    Drug Safety Update - GOV.UK

●米国FDA     Drug Safety and Availability | FDA

→定期的にMHRAとFDAはチェック

血液製剤協会   一般社団法人日本血液製剤協会

血液製剤のことはとりあえずここ見てる

●PMDAの副作用疾患別マニュアル  重篤副作用疾患別対応マニュアル(PMDA)

●プラメドプラス    株式会社プラメドプラス|市販薬

→市販薬の一覧と含有成分を調べるならここ

社会保険診療報酬支払基金 審査情報提供事例(薬剤)|社会保険診療報酬支払基金

→適応外でも保険上使用しても問題ないとする事例をまとめたものが見れる

厚労省 公知申請  https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/topics/110202-01.html

●国立成育医療センター  妊娠と薬情報センター | 国立成育医療研究センター

→授乳中の薬について

●LactMed      TOXNET HAS MOVED

→授乳中の薬剤について一番詳しいのはここ

●健康食品の安全性・有効性   https://hfnet.nibiohn.go.jp/

→健康食品やサプリメントについてしっかりエビデンスベースの評価がある

 ●日本ジェネリック製薬協会    日本ジェネリック製薬協会

→先発品と後発品で適応に違いがある薬品リストが便利

 ●SAGASU-DI     SAGASU-DI 全文検索 | 医薬品情報

→供給情報や新薬の情報など 

 

【その他】

●画像診断Cafe    画像診断cafe

→各疾患時の画像を載せてくれてる。

●BML検査項目   検査案内

→各検査項目の正常値や検査意義などについて解説 

●Shaper    Shaper

→PDFの文字データをコピペするときに改行を自動で削除して翻訳を楽に

●ライフサイエンス辞書   ライフサイエンス辞書

→単純な辞書サイトだがPubmedにそのまま飛べるのが有用

 

【患者向け・医療者向け情報サイト】

●くすりのしおり   くすりのしおり | 病院の薬を調べる

●おくすり110番  おくすり110番・・病院の薬がよくわかる

●がん情報サイト   がん情報サイト「オンコロ」 – がんと・ひとを・つなぐ

●日経DI  日経DI|薬剤師のための情報サイト「日経ドラッグインフォメーション」

●m3    <日本最大級>医師向け最新医学・医療情報サイト | m3.com

●Pharma tribune  薬剤師のためのメディア | 薬剤師専門メディア ファーマトリビューン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読めよ薬剤師2019 オススメの本を紹介

 

今年はちょっと参加してみます。

f:id:pharmapon:20191231163251p:plain

 

 

薬剤師におすすめする本を3冊紹介する企画

 
 
●医療現場のための相互作用リテラシー
相互作用の基本から応用までわかりやすく解説した1冊。
相互作用の勉強をしようと思ったらまずはこれ。
CR−IR−IC法って凄すぎませんか?
 
感染症プラチナマニュアル2019
感染症のポケットブックといえばこれ。
毎年更新されており、菌種・薬・疾患の3方面から解説され非常にわかりやすい。
2020年の最新版もすでに予約可能
 
とりあえず高木さんが可愛すぎて生きるのが辛い
 
 
モダトレ3ステップで推論する副作用のみかた・考えかたなどもかなりオススメです。
 
勉強本以外にはあまり本を読まないので・・・ありきたりなものばかりですいません。
とりあえず薬局の2020年1月号は購入が決定しています!
 
 

末梢動脈疾患(PAD)治療後の抗血栓薬はどの薬剤、期間が適正ですか?

【背景】

末梢動脈疾患治療後(ステント留置後)の抗血栓薬については薬剤、期間共にまだコンセンサスが得られていなかった気がする。

過去に調べたことがあるがもう一度新しいデータが出ていないか調べてみる。

※以下過去記事

https://blog.hatena.ne.jp/pharmapon/pharmapon.hatenablog.com/edit?entry=10257846132608176576

 

【参考文献】

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31734299

アブストのみ PADに対する血行再建後の抗血小板薬

DAPT6か月以上とSAPT or DAPT6か月以上とDAPT6か月未満を比べると

DAPT6か月以上が四肢イベントや心血管イベントが少ないという結果。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30799766

アブストのみ 安定したPADに対する抗血栓

症候性PADではアスピリンよりチエノピリジンのがよいかも。

DAPTのが出血は増えるけど心血管イベントや四肢イベントは減る可能性。

SAPT+VKAは出血だけ増やす。

ASA+リバーロキサバン2.5㎎BIDはよいかも。

患者背景が結構違うから何がベストかわからない。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30045826

アブストのみ PAD患者におけるDAPT vs SAPTのメタ解析

DAPTのが死亡率低い(RR:0.89 0.86-0.92 P<0.001)

DAPTのが血行再建再発が少ない(RR:0.80 0.69-0.92 P=0.002)

DAPTのが出血は多い傾向(RR:1.21 0.87-1.68 P=0.26)

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29904448

PADを合併したAMI患者のPCI後のDAPT期間

12か月以上のDAPTを支持する結果ではない。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29062225

 ステント留置後4-6週間DAPTと8-12週間DAPTの比較

開存率、大出血共に差がない。

 

 

と、いろいろ調べていたら

2019年のESVM(European Society for Vascular Medicine)からのガイドラインを発見。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31789115

 

よくまとまっています。

8章以降が目的とする内容でした。

 

・ステント留置かバイパス術か

・ステントを置いた場所

・バイパスの場所

・人工血管かどうか   などなどでいろいろ変わってくるようです。

ただ、まだまだ不明なことが多いようですね。。

 

 

 

【RCT】SGLT2阻害薬の心不全に対する効果はどうですか?【DAPA-HF】

参考文献:Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction.

PMID:31535829

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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験) 

論文の内容

P:18歳以上、EF40%以下でNYHA2-4の心不全患者

  基本的にはRAAS阻害薬やβ遮断薬、MRAの標準治療に上乗せ

I:ダパグリフロジン10㎎/日

C:プラセボ

O:心不全の悪化、心血管死の複合

 

※除外基準:eGFR30ml/min/1.73m2以下、T1DM、低血圧、副作用に忍容性のない患者

 

【確認ポイント】

・Primary Outcomeは明確か      →明確である

・真のアウトカムかどうか      →真のアウトカム

・適切なランダム化がされているか   →されている

・盲検化されているか         →されている   

・解析方法は              →ITT

・追跡率               →約89%

・追跡期間                →約18.2か月(中央値)

・サンプルサイズ          →約4500人

・スポンサー                →アストラゼネカ

 

 

【患者背景】

 

  ダパグリフロジン(n=2373) プラセボ(n=2371)
年齢 66.2±11.0 66.5±10.8
女性 564(23.8) 545(23.0)
BMI 28.2±6.0 28.1±5.9
アジア人 552(23.3) 564(23.8)
HR 71.5±11.6 71.5±11.8
収縮期血圧 122.0±16.3 121.6±16.3
EF 31.2±6.7 30.9±6.9
既往    
心不全による入院 1124(47.4) 1127(47.5)
心房細動 916(38.6) 902(38.0)
DM 993(41.8) 990(41.8
eGFR (ml/min/1.73m2) 66.0±19.6 65.5±19.3
心不全治療薬    
利尿薬 2216(93.4) 2217(93.5)
ACEI 1332(56.1) 1329(56.1)
ARB 675(28.4) 632(26.7)
ARNI 250(10.5) 258(10.9)
β遮断薬 2278(96.0) 2280(96.2)
MRA 1696(71.5) 1674(70.6)
ジギタリス 445(18.8) 442(18.6)
DM薬    
BG 504/993(50.8) 512/990(51.7)
SU 228/993(23.0) 210/990(21.2)
DPP4I 161/993(16.2) 149/990(15.1)
GRP1作動薬 11/993(1.1) 10/990(1.0)
インスリン 274/993(27.6) 266/990(26.9)

  2019 Nov 21;381(21):1995-2008.より

 

【結果】

  ダパグリフロジン
(n=2373)
プラセボ
(n=2371)
HR P-value
複合主要評価項目 386(16.3) 502(21.2) 0.74(0.65-0.85) <0.001
心不全による入院
緊急受診
237(10.0) 326(13.7) 0.70(0.59-0.83) NA
心不全による入院 231(9.7) 318(13.4) 0.70(0.59-0.83) NA
心血管死 227(9.6) 273(11.5) 0.82(0.69-0.98) NA
全死亡 276(11.6) 329(13.9) 0.83(0.71-0.97) NA

2019 Nov 21;381(21):1995-2008.より

ほかの細かい結果はTable2を参照

サブ解析はFigure3

安全性はおおむねプラセボと差がない。

 

 

【まとめ・感想】

ソフトエンドポイントもあるが二重盲検であるのでそこまで気にしなくてもよさそう。

複合アウトカムについて有意な差があり、今後も使用量が増えていきそう。

ただ、サブ解析をみるとNYHAが3-4では効果が乏しくNYHA2だと効果が大きい。また、NT-proBNPも中央値より低いほうが効果が大きいのでわりと軽症例のがよいのかもしれない。EFも低いほうが効果がありそうで、HFpEFも含んだDLIVER試験やDETERMINE試験の効果がどうなるかは気になるところ。

個人的には「利尿作用がある血糖降下薬」というよりも「血糖降下作用がある利尿薬」というイメージ。(だからなに?)

忘れずにいたいのはあくまでも標準治療への上乗せであること。

Table2をみるとHbA1cの低下は-0.21で思ったより下がらないイメージ。DMではない人も含んでいるからか。

下肢切断はやっぱりプラセボに比べて多くないものの、追跡期間はそれほど長くない。

CANVASは約300週、CANVAS-Rでは約110週の追跡で、骨折もたしかCANVASで多いから使用期間が長期になればなるほど上記のような有害事象が増える可能性はあるのかもしれないと個人的に思っている。ただCANVASは300㎎使ってる人もいたような・・。

やはり患者群をみると体格は大柄な人たちがメイン。カリカリの高齢者の方に使用するのは少し気になってしまう・・・。

 

 
 

【RCT】AfとCAD合併でPCI or CABG後1年たったらDOAC単剤でよいですか?【AFIRE】

 AFIREがpublishされたので読んでみる。

参考文献:Antithrombotic Therapy for Atrial Fibrillation with Stable Coronary Disease

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1904143?query=recirc_curatedRelated_article

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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験) 

論文の内容

P:1年以上前にPCI or CABGを施行、もしくはCAGで血行再建不要のCAD(50%以上の狭窄)を有する20歳以上のAf患者2236人

 I:リバーロキサバン単剤

C:リバーロキサバン+抗血小板薬1剤(ASA or P2Y12i)

O脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、血行再建が必要な不安定狭心症、全死亡の複合

大出血

 

有効性は非劣勢検討で非劣勢マージン1.46

安全性(大出血)は優越性検討

 

【確認ポイント】

・Primary Outcomeは明確か      →明確である

・真のアウトカムかどうか      →真のアウトカム

・適切なランダム化がされているか   →されていそう

・盲検化されているか         →オープンラベル  

・解析方法は              →有効性 mITT 

                   安全性 PPS

・追跡率               →約86-90%

・追跡期間                →約24.1か月(中央値)

・患者背景             →下記参照

・サンプルサイズ          →約2200人

・スポンサー               →バイエル 

 

 

 

【患者背景】

患者 Rivaroxaban Monotherapy Combination Therapy
年齢 74.3±8.3 74.4±8.2
75歳以下 47.40% 47.60%
男性 79% 79.10%
BMI 24.5±3.7 24.5±3.7
DM 41.60% 42.10%
MI既往 34.70% 35.50%
PCI 70.60% 70.70%
DES 69.20% 66.20%
BMS 23.70% 23.70%
両方 2.60% 5.00%
CABG歴 11.30% 11.50%
Paroxysmal 53.80% 52.30%
Persistent 14.80% 15.80%
Permanent 31.30% 31.90%
CCr 62.8±25.7 61.7±24.0
<30ml/min 5.10% 5.80%
30-50ml/min 28.50% 28.20%
≧50ml/min 66.40% 66.00%

TableS2 TableS3にさらに詳しくのってる。

 

【結果】

ENDpoint Rivaroxaban
Monotherapy
Combination
Therapy
HR P-value
Primary 4.14% 5.75% 0.72(0.55-0.95) <0.001
虚血性脳卒中 0.96% 1.31% 0.73(0.42-1.29)  
出血性脳卒中 0.18% 0.60% 0.30(0.10-0.92)  
心筋梗塞 0.59% 0.37% 1.60(0.67-3.87)  
不安定狭心症 0.59% 0.84% 0.71(0.35-1.44)  
全身性塞栓症 0.09% 0.05% 1.97(0.18-21.73)  
全死亡 1.85% 3.37% 0.55(0.38-0.81)  
心血管死 1.17% 1.99% 0.59(0.36-0.96)  
非心血管死 0.68% 1.39% 0.49(0.27-0.92)  
大出血 1.62% 2.76% 0.59(0.39-0.89) 0.01

 TableS4以降にも詳しくのってる。

 

【まとめ・感想】

PCIやCABG後1年たったらOAC単剤を推奨するような結果。

DAPT期間は短く、抗血栓薬の併用は少なく。といった流れを後押しする感じ。日本人対象で、日本のイグザレルト用量での結果はとても参考になる。

今後はむしろどのような症例で併用を検討すべきか。といった視点に変わっていくのかもしれないなーと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【RCT】高齢者に対する一次予防としてのエゼチミブの効果はどうですか?【EWTOPIA75】

EWTOPIA75の結果がpublishされたので読んでみる。

 

参考文献:Ezetimibe Lipid-Lowering Trial on Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Disease in 75 or Older (EWTOPIA 75): A Randomized Controlled Trial.

PMID:31434507

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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験)

論文の内容

P:75歳以上でLDL-C≧140mg/dlで下記※のうち1つ以上満たす患者

I:エゼチミブ10㎎/d+食事療法

C:食事療法

O:心臓突然死、心筋梗塞、血行再建術(PCIorCABG)、脳卒中の複合

 

※高血圧、糖尿病、低HDL-C、高TG、喫煙、脳梗塞の既往、PAD

 

除外基準:空腹時TG400 mg/dL以上、心筋梗塞の既往、冠血行再建術(PCIorCABG)の既往、治療を必要とする狭心症脳卒中発症後6ヶ月未満、重度の肝障害、重度の腎障害、悪性腫瘍、認知症、FH、Af、過敏症、他の治験に参加中

 

副次評価項目 各種心血管イベント、各種脳血管イベント、死亡、入院、悪性腫瘍、認知症発症、大腿骨頸部骨折、ADL、施設入所、経済効果

 

【確認ポイント】

・Primary Outcomeは明確か      →明確である

・真のアウトカムかどうか      →真のアウトカムといえる

・適切なランダム化がされているか   →されている

・盲検化されているか         →PROBE法     

・解析方法は              →ITT PPS

・追跡率               →両群約90%

・追跡期間                →4.1年

・患者背景             →下記を参照

・サンプルサイズ          →6000例   

・スポンサー                →バイエル、MSD、老年医学会、心臓財団、アテローム動脈硬化学会

 

【患者背景】

 

ezetimibe(n=1716)

control(n=1695)

age

80.6±4.7

80.6±4.7

male

440(25.6%)

432(19.2%)

BMI

23.6±3.5

23.5±3.7

LDL(mg/dl)

161.9±20.1

161.3±19.4

SBP(mmHg)

137.0±15.8

135.8±15.9

DM

433(25.2%)

434(25.6%)

  2019 Aug 22.より

 

【結果】

  Ezetimibe Control HR 95%CI P-value
複合脳心血管イベント
(Primary)
89(5.2) 133(7.8) 0.66 0.50-0.86 0.002
複合心イベント 26(1.5) 43(2.5) 0.6 0.37-0.98 0.039
全死亡 188(11.0) 173(10.2) 1.09 0.89-1.34 0.43
脳卒中 47(2.7) 60(3.5) 0.78 0.53-1.14 0.2
冠動脈血行再建 10(0.6) 26(1.5) 0.38 0.18-0.79 0.007

  2019 Aug 22.より

 

【まとめ・感想】

症例数が足りていないものの、Primary endpointは有意に減少という結果。

ただ、プラセボ投与はなく、PROBE法であり血行再建術が大きく減少していることは割り引いて考えたほうがよさそう。

今回の試験は1次予防の効果を見ており、2次予防に対するエゼチミブ単独の効果は不明。今度ジェネリックが出るらしいが薬価は圧倒的にスタチンのが安いので1次予防に使用するにしてもスタチンが先に来る気がする。

個人的にはあんまりポジティブな結果には思えない。

 

【RCT】デュロキセチンの有効性・安全性はどうですか?【院内抄読会】

【仮想症例シナリオ】

あなたはとある病院の薬剤師さんです。

梅雨も明け、夏の暑さがいっそう激しくなってきました。

 

ある平日の午後、窓口で薬を説明しているとあなたは患者さんから質問を受けました。

 

患者「すいません。少し教えてほしいんですけど・・・・このサインバルタっていう薬を整形外科で膝とか腰の痛みに対してもらっているんですけど、これって元々はうつ病とかの薬ですよね?」

「この薬を飲み始めてやっぱり精神的に何か不安定になることが多い気がして・・・・膝の痛みもあまり良くなった気がしないんです。」

うつ病の薬が痛みに効くってのがあんまりしっくり来なくて・・・効いてくるまでに時間がかかったりするんですか?」

 

痛みに対してトリプタノールサインバルタなどが使用されることは知っていたあなたでしたが、具体的にどれほどの効果が期待できるのかはよく知りませんでした。

次回受診までにしっかりデータを調べておくことを患者さんにお伝えし、業後論文を探してみるとRCTを見つけることができたため読んでみることにしました。

 

 

参考文献:Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Phase III Trial of Duloxetine Monotherapy in Japanese Patients With Chronic Low Back Pain.

PMID 27831985

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27831985

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【患者背景】

62歳 女性 160㎝ 63㎏

既往歴:腰痛 高血圧

検査値:

内服薬:

アムロジピン5㎎     1T/朝

・セレコックス100㎎    4T/2x

ムコスタ100㎎      3T/3x

・ワントラム100㎎     1T/朝

・トラマール25㎎      1T/とんぷく

・ロキソプロフェンテープ

・スミルスチック

 

【X-5day~下記開始】

サインバルタ20㎎     1T/寝る前

 

アドヒアランス: よい

生活習慣:最近夫が定年で仕事を退職し毎日家にいるためストレス

 

 

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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験) 

論文の内容

P:NSAID無効のBPI4以上の腰痛が6か月以上持続した20-80歳の外来患者

I:デュロキセチン20㎎を1週間→40㎎1週間→60mg

C:プラセボ

O:14週目までのBPIスコアの変化

 

副次的評価項目:BPI疼痛、患者改善の印象、重症度の印象、ローランドモリスのアンケート、安全性と忍容性

 

NSAID、筋弛緩薬、抗うつ薬、BZDなどの併用は禁止(appendix1)

 

【確認ポイント】

・Primary Outcomeは明確か      →明確である

・真のアウトカムかどうか      →真のアウトカム

・適切なランダム化がされているか   →されている

・盲検化されているか         →されている   

・解析方法は              →FAS

・追跡率               →90.1%   88.5%

・追跡期間                →14週

・サンプルサイズ          →約450人

・スポンサー                →塩野義 リリー

 

Exclucion

・腰部手術の既往

・1か月前に腰痛緩和のための侵襲的治療を受けたもの

・松葉づえや歩行器を必要とする人

・大うつ病性障害、C-SSRSで自殺傾向があると診断されたもの

  

 

【患者背景】

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2016 Nov 15;41(22):1709-1717.より引用 

 

【結果】

     平均疼痛スコアの変化             応答率

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  2016 Nov 15;41(22):1709-1717.より引用 

 

【有害事象】f:id:pharmapon:20190819182911p:plain

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  2016 Nov 15;41(22):1709-1717.より引用 

 

【みんなの感想】

比較的投与初期からプラセボと比べ有効であることが示唆されるものの差は11段階中で見れば小さい。エビデンスがあるのは最低でも40㎎~となるが、アウトカムが「痛み」という主観的なものであるとすれば20㎎でも本人が効いていると感じていれば20㎎での維持もありなのかもしれない。

投与初期に副作用を感じやすいことがFigure5から見て取れるため投与初期には注意が必要。

追跡率は比較的高いもののITT解析をすると少し差が小さくなる可能性あり。

うつ素因があるような患者は対象から除外されており、精神的疾患の問題がありそうな患者に使用する際は注意が必要なのかもしれない。

また、あくまでサインバルタ単独での有効性を評価しているため、症例のようにNSAIDやトラマールを使用している患者への上乗せ効果はこの文献からは不明。

トラマールに関してはセロトニン作用の重複なども考えられるため併用開始初期は特に注意が必要なのかもしれない。