病院薬剤師pharma.ponの備忘録

とある総合病院で働く薬剤師が備忘録としていろんなことを記録していきます。

【RCT】EPA製剤は心血管イベント予防に有効ですか?【JELIS study】

最近はEPAについて少しおさらいをしています。

もっとも有名と思われる論文を確認します。

 

Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS) : a randomised open-label,blinded endpoint analysis

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=17398308

PMID:17398308

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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験)

論文の内容

P:T-cho250mg/dl以上の患者 ※

I:EPA製剤(1800mg/日)+スタチン(プラバスタチン10mg or シンバスタチン5mg)

C:スタチン単独(プラバスタチン10mg or シンバスタチン5mg)

O: 主要冠動脈イベント(心臓突然死、心筋梗塞、不安定狭心症、血行再建術、冠動脈バイパス術)

 

※男性は40-75歳、女性は閉経後の75歳以下。

除外基準:6か月以内のMI、UAP、重度の心疾患既往、血行再建など

 

【確認ポイント】

・Primary Outcomeは明確か      →明確である

・真のアウトカムかどうか      →真のアウトカムといえる

・適切なランダム化がされているか   →されている

・盲検化されているか         →PROBE法

・無作為化されている        →されている       

・解析方法は              →ITT解析されている

・追跡率               →91%

・追跡期間                →4.6年間(平均)

・患者背景             →下記図を参照   

・スポンサー                  →神戸大学

 

【患者背景】

 f:id:pharmapon:20180804102132p:plain

(本文より引用) 2007 Mar 31;369(9567):1090-8.

【結果】f:id:pharmapon:20180804102210p:plain

(本文より引用) 2007 Mar 31;369(9567):1090-8.

f:id:pharmapon:20180804102645p:plain

(本文より引用) 2007 Mar 31;369(9567):1090-8.

 

【まとめ・感想】

 primary endpointの項目がかなり多く、PROBE法に血行再建などはバイアスが入りやすいのでいくらか割り引いて考える必要あり。

Figure3をみると全体的にイベントは減る方向に思えるが有意差をもって減らしているのはそれほど多くない。

特にハードエンドポイントをみると……。

実臨床においては900mg*2/日だとしっかり忘れずに飲めるか。なども考えながら適応を考えるべきか。最近はロトリガ🄬を使うことも多いがそちらのエビデンスはしっかり出ているのだろうか。少し調べてみよう。

 

 

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