【RCT】PCI1年経過後の心房細動患者は抗凝固薬単剤でもよいですか?【OAC-ALONE】
ステント留置1年経過後で心房細動を合併している患者では現在抗血小板薬1剤+抗凝固薬で治療されていることが多いように感じるが、ESCやAHAでは1年経過後抗凝固単剤を推奨するような記載もあり、出血のリスクを考えればなるべく抗血栓薬の併用は避けたいところだと思われる。
An Open-Label Randomized Trial Comparing Oral Anticoagulation with and without Single Antiplatelet Therapy in Patients with Atrial Fibrillation and Stable Coronary Artery Disease Beyond One Year after Coronary Stent Implantation: The OAC-ALONE Study
PMID:30586700
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研究デザイン:RCT(ランダム化比較試験) 非劣性試験 非劣性マージン1.5
論文の内容
P:20歳以上の心筋梗塞ステント留置後1年経過+心房細動合併
I:抗血小板薬+OAC
C:OAC(ワーファリンorDOAC)
※ワーファリンの目標INR70歳未満では2.0-3.0、70歳以上では 1.6-2.6。
除外基準:
12ヶ月以内のPCI歴、抗凝固薬の中止が予定されている、ステント血栓症の既往、冠血行再建予定患者、外科手術(心血管・非心血管)予定患者、12ヶ月以上の生命予後が見込めない患者
【確認ポイント】
・Primary Outcomeは明確か →明確である
・真のアウトカムかどうか →真のアウトカムといえる
・適切なランダム化がされているか →されている?
・盲検化されているか →オープンラベル
・解析方法は →mITT解析
・追跡率 →98.6%
・追跡期間 →2.5年(中央値)
・患者背景 →下記図を参照
・サンプルサイズ →2000人
・スポンサー →第一三共
・非劣性マージン →1.5
【患者背景】
【結果】
【サブ解析・主要評価項目】
【サブ解析・副次評価項目】
【まとめ・感想】
主要評価項目は非劣性を示せず。出血を含めると非劣性。
症例数が圧倒的に足りないためなんともいえないが、OAC単独ではSAPT+OACに比べ血栓イベントは増える傾向だが出血は少ない傾向か。
AFIRE試験では併用群にて出血イベントが多く中止になったとのことで、OLTAT registry(PMID29776575)なども合わせて考えるとAF合併でPCI後1年経過した後は充分にOAC単剤でもいける可能性があると思われる。
抗血栓薬の併用はなるべく少なく、なるべく短期間にする流れは間違いなくあると思うので今後も新たなデータなどしっかり追っていきたいところ。